葛尾コラム:葛尾の由来と”葛”の字について

「葛尾」の地名の由来

 この地が「葛尾」と名付けられたのは、信州・長野県が発祥です。長野県の坂城町にある山の上にある城跡の名前が「葛尾城」といって、戦国時代の武将、村上義清の居城でした。この城をめぐって武田信玄と激闘が繰り広げられ、義清は2度勝利しましたが、3度目に敗れました。その際、家来だった松本勘解由介が相馬に落ち延び、相馬当主から三春領と相馬領の国境警備を頼まれて住み着いたこの地を「葛尾」と名付けたといわれています。(諸説あります)

「葛」は「クズ」

 葛尾村の「葛」は、マメ科クズ属のつる性の多年草である「クズ」のことを言う場合が多いです。日本では、デンプンを多く含んだ根塊から葛粉や漢方薬が作られ、昔から秋の七草の一つにも数えられています。
 クズは根に溜め込んだデンプンを栄養分にして冬場に葉が枯れても越冬する多年草です。またツルの生長は非常に早く1日に30センチメートル近くも伸び、またツルが地面に触れるとそこから根を出し別株として生長していくなど、繁殖力が旺盛な雑草としても知られています。他の植物などに巻き付くことで、自分を支える木質部を形成しなくて済むため、その分の栄養を生長に向けることで、あのように驚異的な繁茂をするのです。

「葛」の字について

 「葛」の部首は「くさかんむり」で12画の漢字です。音読みで「かつ」、訓読みで「くず」などと読みますが、葛尾のように「かつら」と読ませるのは常用外となります。2004年に改正されたJIS2004の例示字形変更により「葛」となりましたが、変更前のと書いても間違いではないそうです。

「葛」の字を含む熟語

  • 葛藤(かっとう) 互いに譲らずに争うこと。
  • 葛根湯(かっこんとう) マメ科クズ属のつる性植物である葛の根を乾燥させた漢方薬。
  • 葛湯(くずゆ) 葛粉に砂糖を入れ、熱湯をかけて透明になるまで練った食べ物。
  • 葛餅(くずもち) 葛粉を使用した和菓子。
  • 葛折(つづらおり) いくつにも折れ曲がって続いている坂道や山道。馬術で馬をジグザグに歩ませること。九十九折とも書く。
  • 葛籠(つづら) 衣類を収納する籠。古くはツヅラフジのつるで作ったが、近世では竹やヒノキの薄板で作ったものに紙を張り、渋や漆を塗って仕上げた万年葛籠が多く用いられた。「つづらこ」とも読む。
  • 葛あん・葛餡(くずあん) 酒や醤油などで味を付けた出汁に、水で溶いた葛粉や片栗粉などを加えてとろみを付けたもの。くずたまり。
  • 葛粉(くずこ) マメ科クズ属のつる性植物である葛の根のデンプンを粉にしたもの。
  • 葛布(くずふ) マメ科クズ属のつる性植物である葛の繊維で作った布。

「葛」の字を含む四字熟語

  • 一裘一葛(いっきゅういっかつ) この上なく貧しい暮らしのたとえ。
  • 瓜葛之親(かかつのしん) 親類やその縁者のこと。植物の瓜や葛の蔓が絡み合うことにたとえたもの。
  • 人事葛藤(じんじかっとう) 人間と人間の争い。「人事」は人間にかかわりのある事柄。「葛藤」は植物のかずらや藤がもつれて絡むという意味から、争いやごたごたのたとえ。

「葛」の字を含む自治体名

  • 葛飾区(かつしかく)(東京都)
  • 葛城市(かつらぎし)(奈良県)
  • 葛巻町(くずまきまち)(岩手県岩手郡)