葛尾村の基本情報

葛尾村(かつらおむら)は、福島県の浜通り、双葉郡に位置し、人口1382人(2020年9月現在)ののどかな山村で、主産業は農業と畜産業です。観光資源としては、葛尾大尽屋敷跡・磨崖仏・高瀬川渓谷・かつらおヤギ広場がらがらどん・五十人山・復興交流館あぜりあ・クリムゾンクローバーなどがあります。

2011年3月に発生した東日本大震災では、福島第一原子力発電所の事故により全村避難を余儀なくされました。2016年6月に一部を除いて避難指示が解除されましたが、2020年10月時点で帰還した住民は330人ほどしかおらず(そのほかに震災後に94人が転入し村内に居住しています)、しかもそのほとんどが高齢者で、特に若年層の居住人口を増やすことが課題になっています。

交通死亡事故ゼロ連続13000日達成

役場前にある交通死亡事故ゼロの看板

葛尾村は、交通死亡事故ゼロが、1965年(昭和40年)から2001年(平成13年)まで足かけ36年連続13,261日の日本記録を持っています。村の中心部には「交通死亡事故ゼロ13,000日達成の村」の大きな看板が立てられています。現在も、平成13年から交通死亡事故ゼロの連続記録が続いていて、2020年(令和2年)7月30日に連続7,000日達成となりました。

  

葛尾村の観光地

葛尾大尽屋敷跡

【葛尾大尽屋敷跡】
戸時代から明治時代の約200年間にわたり、この地でたいへん栄えた豪商「松本一族」の邸宅跡です。敷地内には、享保年間に移植されたという京桜、江戸時代に流行した「近江八景」にちなんだ庭園をはじめ、能などを鑑賞したといわれる能見池、池の奥に入り口があり水を抜いて家宝をたくわえたとされる「あかずの池」などがあります。
現在の屋敷跡は、農地改革の施工で分割され、一族の末裔である人が守っています。築城にも用いられるほどの石垣から、在りし日の葛尾大尽の繁栄を物語っています。

葛尾村の磨崖仏

【磨崖仏】
石仏願文であり松本一族の2代目当主である三九郎重供の代に作られたといわれています。願文中にある『現当二世安楽』とは、8代目の博通、9代目の聰通(あきみち)の繁栄を祈念し、「六親眷属(けんぞく)」は父の初代「三九郎好倉」まで既に故人となっている6代前までの霊の安泰を、「七世父母」は願文人である「三九郎」その者を指しています。

高瀬川渓谷

【高瀬川渓谷】
高瀬川は、田村市都路町を源流として葛尾村を通り浪江町で請戸川と合流して太平洋に注ぐ二級河川です。葛尾村では山間部を流れていて、奇岩をぬうような流れと周囲の自然が織りなす景色は、思わず見入ってしまうほどの美しさです。

大笹地区のクリムゾンクローバー

【クリムゾンクローバー】
毎年5月下旬に見ごろを迎えるクリムゾンクローバーは、村農業再生協議会が農地保全管理の一環として緑肥となる草花を活用した田畑の土づくりを提案して実現しました。村は取り組みに賛同した農家に種子代を補助、昨年秋に田畑に種がまかれた。村によると、大笹地区と大放地区で多く咲いているという。

浪江森林鉄道の隧道跡

【浪江森林鉄道跡】
浪江森林鉄道は現在の常磐線浪江駅から葛尾村落合湯の平までの27.9キロを結んでいた森林鉄道です。1902年(明治35年)に全線開業した浪江森林鉄道は、南東北地方で随一の規模を誇りました。しかし軌道を車道化することにより1960年(昭和35年)に全線が廃止されたと記録に残っています。葛尾村内では今でも軌道の橋脚や隧道、のり面の石垣が残っていて、当時を偲ばせています。

郷土文化保存伝習館の内部

【葛尾村郷土文化保存伝習館】
養蚕・製鉄などでの経営活動により、葛尾村に「大尽屋敷」として伝承される松本三九郎一族など、かつての村人の生活を、養蚕業の用具の移り変わり、険しい山中での杣人の道具などを通し、つましく暮らしてきた葛尾の人々をふりかえる伝習館です。平日の日中のみの営業で、観覧する際は葛尾村教育委員会に申し出て施設の開錠をしてもらう必要があります。

みどりの里せせらぎ荘

【みどりの里せせらぎ荘】
葛尾村で唯一の宿泊施設と入浴施設です。県道50号線からせせらぎ荘の大きな看板を目印に曲がって約300メートルの坂を登った先にあります。館内はとても静かな環境にあり、外から聞こえてくる人工的な音はほとんどありません。日帰り入浴に時間制限は設けていないので、時間を気にすることもなくゆっくり過ごすこともできます。小さな売店でお菓子やお土産品・アイスなどの販売をしていますが、館内で食事の提供はしていないので、ご注意ください。

葛尾磯前神社

【葛尾磯前神社】
1522年(大永2年)に勧請。従前は薬師如来の祭祀でしたが「大国主命・言代主命」を祀ります。1869年(明治2年)神社法の改正により「磯前神社」となったため、屋根には宝珠、欄間の彫刻には狛犬がみられます。内部には1864年(文久3年)、1882年(明治15年)などと明記された彩色奉納絵馬が残ります。

八幡神社

【八幡神社】
水野河内守忠清の末裔、水野越中守忠久の嫡男、松本豊前忠親の一子・忠寿が、1245年(寛元3年)8月15日、筑前国の宇佐に鎮座する八幡宮の御霊を受けて、松本家「現当主・松本忠光氏」の氏神として祀ったのが始まりです。境内には御神木として植樹したといわれている樹齢およそ700年の「宇佐の杉」があります。

薬師寺

【薬師寺】
1538年(天文6年)に開山。その後真言宗の寺として郡内24寺の一つとなりました。葛尾大尽・松本三九郎一族も代々信仰し、ご本尊「金剛界大日如来坐像」は松本聡通の妻イネが寄進したものです。その他に「閻魔大王」をはじめ、地獄での裁き役といわれる「十王」の木彫り坐像があります。

【観福寺】
1330年(元徳2年)「松倉山・西帰庵」と号しました。野火にて焼失後、1505年(永正2年)に現在地へ移転・開山するとともに「観福寺」と改名し、上野川・野川・落合の菩提所と定められました。弘法大師坐像や、彩色された地蔵菩薩の座像・立像のほかに、素彫りの仏像があります。

なだらかな山容の五十人山

【五十人山】
葛尾村と田村市都路町にまたがる標高883メートルの山。山頂付近は約1ヘクタールにわたって草原が広がり、5月下旬ごろにはヤマツツジが見ごろを迎えます。また山頂には五十人石と呼ばれ、坂上田村麻呂にまつわる伝説が残る大石もあります。

日山山頂の日山神社

【日山(天王山)】
日山は安達・田村・双葉の3郡の境界にあり、標高1,058メートルは阿武隈山地で2番目の高峰です。山頂の日山神社で疫病を退散させた牛頭天王を祀っていることから別名「天王山」とも呼ばれています。かつては富士山が見える最北端の山とされていたこともありました。日山神社の例大祭では三匹獅子舞が奉納されます。

竜子山(葛尾小富士)

【竜子山(葛尾小富士)】
標高920.9メートル。山容が美しいことから別名「葛尾小富士」とも呼ばれています。山には、猪退治に出かけた旦那が帰って来ず、竜子姫も一人で山に入って帰らぬ人となったという竜子姫伝説が残っていて、今でも人形劇で演じられています。

もりもりランド(休園中)

【もりもりランド】
キャンプ場のほか、大自然をそのまま生かしたアスレチック、マウンテンバイクのコースなど、アウトドアの楽しい遊び施設がある森林公園です。おいしい空気の中、思いきり体を動かしたり、自然の風景を楽しみながらのんびり散策したりと思い思いの楽しい時間を過ごせます。震災により長期休園中ですが、再開に向けて現在準備しています。

かつらおヤギ広場がらがらどん(2021年5月開園予定)

【かつらおヤギ広場がらがらどん】
五十人山を望む高原で2021年(令和3年)5月にヤギ牧場が開園予定です。人懐っこいヤギとのふれあいのほか、ヤギ乳を使用したジェラートやチーズ、石鹸などを販売する予定です。

葛尾村復興交流館あぜりあ

【葛尾村復興交流館あぜりあ】
2018年(平成30年)6月にオープンした交流施設。村内の観光情報・道路交通情報の提供をはじめ、物産展で村内の産品を販売しています。フリーWi-Fiが完備されているほか、コーヒー販売・共有スペースの貸し出し・レンタサイクルなどのサービスを行っています。

   

葛尾村の特産品

凍み餅
調理された凍み餅

【凍み餅】
阿武隈地方特有の保存食。ごんぼっぱをつなぎにしてもち米とうるち米とともにつき、成形して切断したのち、いったん水に浸して真冬の乾燥した北風で凍らせたものです。
カチカチに固まるため、乾燥した場所に置いておけば、10年でも20年でも保存できるといわれています。
食べるときは、水に数時間浸したあと、油を敷いたフライパンでサッと焼き、砂糖醤油にまぶして食べるのが一般的です。

エゴマの種子
琥珀色したエゴマ油

【じゅうねん油(エゴマ油)】
エゴマの実を絞って抽出した油。α-リノレン酸が豊富なオメガ3と呼ばれる油の一種で、体内の血液の流れを良くする働きがあるといわれていることから、いま注目を集めている健康食品です。このα-リノレン酸は体内で生成できないため、それを含む食品を継続的に摂取し続けることで、効果が表れやすくなります。

エゴマは、その種子からゴマの仲間と勘違いされがちですが、実はシソ科の植物です。葛尾周辺地域でも盛んに栽培されていて、10月ごろにはあちこちで刈り取りする光景が見られます。

胡蝶蘭

【胡蝶蘭】
2018年1月に地元農家らが合同で設立した農業法人「かつらお胡蝶蘭合同会社」が品質の高い胡蝶蘭を村内で栽培し、首都圏などの市場に出荷しています。高級花卉として収益性が高く、雇用を生む事業に発展しています。

 

葛尾村の飲食店

石井食堂の外観

【石井食堂】
信じられないほどの大盛が自慢です。名物チャーハンは普通盛りが3合、大盛りが5合もあって、普通の人は食べきれないほど。でも大丈夫。店で用意したタッパーで持ち帰ることもできます。そのほかにも各種定食・丼物・麺類があり、お昼時になると大勢の人でにぎわいます。

Cafe嵐が丘の外観

【Cafe嵐が丘】
五十人山の山裾に位置するCafe嵐が丘は、周囲の山々を見渡せる絶景ポイントにあります。店内もとてもおしゃれでゆったりとした時間とともに食事と軽食がとれるお店です。営業日は毎週水~土曜で、冬季は休業します。

 

葛尾村のイベント・祭り

かつらお感謝祭の様子

【かつらお感謝祭】
葛尾村の秋の風物詩としてすっかり定着した「かつらお感謝祭」。様々なアーティストや太鼓などの披露のほか、大鍋ふるまいや新そばの提供もあり、毎年とても多くの人でにぎわいます。震災により一時休止していましたが、2017年(平成29年)に再開しました。

ツール・ド・かつらおの様子

【ツール・ド・かつらお】
2017年(平成29年)11月に1回目が行われた公道自転車レース「ツール・ド・かつらお」は、2020年(令和2年)までに6回行われました。全国トップクラスの選手も参加するなど、全国的な認知度が高まってきています。村では1週28キロのコースに案内看板を建てたり、宿泊施設せせらぎ荘に自転車のメンテナンスキットを常備したり、練習でも気軽に葛尾村に訪れることができる工夫をしています。

あぜりあで行われた盆踊り

【盆踊り】
毎年8月のお盆の時季に先祖供養のために行われている夏の風物詩です。震災前は葛尾村の各地区で行われていましたが、避難指示解除後は1ヶ所で合同開催となっています。屋台が並ぶほか、抽選会も行われ、葛尾村民をはじめ村外からも多くの人に親しまれる祭りになりました。

三匹獅子舞

【三匹獅子舞】
日山神社と磯前神社の例大祭で、地元の小中学生により奉納されます。「庭入り」から「納め舞」まで12の舞があり、雄獅子2匹(太郎・次郎)と雌獅子1匹に「岡崎」と呼ばれる道化がからむ演目があります。日山神社が10月8日と9日、磯前神社が旧暦の9月9日に奉納されます。
昭和48年に葛尾村の無形民俗文化財に指定されました。

 

葛尾村のゆるキャラ

葛尾村のゆるキャラ「しみちゃん」

【しみちゃん】

凍み餅から生まれた精霊の女の子です。葛尾村ではいたる所に登場し、知らない人はいないというほど人気が高まっています。関連グッズも増えてきました。

2015年(平成27年)10月に、葛尾村民と郡山女子短期大学生活芸術科の学生を対象にデザイン案を募集し、集まった作品の中から選ばれたこのキャラクターに名前をつけるべく、2016年(平成28年)2月に総選挙を実施しました。その結果、全820票のうち278票と1位の得票のあった「しみちゃん」に決定しました。

 

葛尾村へのアクセス

※便宜上、葛尾村役場を目的地としてご案内します。徒歩圏内に、村民会館、復興交流館あぜりあ、郷土文化保存伝習館、葛尾小学校、葛尾中学校、石井食堂、郵便局など様々な施設があります。

鉄道でお越しの方

・JR磐越東線船引駅から
  路線バス:葛尾行きバスでおよそ50分。終点の落合バス停で下車。徒歩2分で到着。
  タクシー:およそ35分で到着。

・JR常磐線浪江駅から
  路線バス:なし
  タクシー:およそ40分で到着。

お車でお越しの方

下の地図は葛尾村役場にピンを立てています。スマホで「地図を拡大表示」して画面左下にある「経路」ボタンをタップすると、現在地やお好みの場所から葛尾村役場までの距離と所要時間が表示されます。

【ご参考】葛尾村役場
住所:福島県双葉郡葛尾村大字落合字落合16
電話:0240-29-2111

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