葛尾コラム:55年間で1件しか交通死亡事故が発生していない葛尾村
交通戦争をも乗り越えて築き上げた死亡事故ゼロの記録
日本国内の交通事故統計上のお話から始めさせて頂きますと、年間の交通事故死者数のピークは、1970(昭和45)年の1万6765人で、当時は「交通戦争」とまで呼ばれていました。近年では自動車性能の向上や医療技術の進歩、道路交通法の厳罰化などにより減少しており、2021(令和3)年は2636人と戦後最少を更新しています。
交通事故発生件数・死者数の推移
政府統計サイトの「道路交通に関する統計」
そういった社会情勢の中、葛尾村では1965(昭和40)年2月に交通死亡事故が発生して以来、55年間で1件しか交通死亡事故が発生していません。その1件とは、トラクターがのり面から逸脱・転落し、地面との間に挟まれて1名が亡くなったそうです。つまり55年間、交通戦争と言われた時代をも含め、自動車や歩行者の交通死亡事故は発生していないとも言えます。
人口1400人程度の小さな村とはいえ、福島市、郡山市、いわき市の各県内3大都市圏まで1時間~1時間30分で行くことができ、国道も縦断する葛尾村でこのような記録が残されているのは、本当に奇跡的ですごいことだと思います。
交通死亡事故ゼロのあゆみ
葛尾村で発生した交通死亡事故と、その間の経過をPDFの年表でご紹介します。このPDFには、各イベントへのリンクもあります。
村内の主要交差点・信号
葛尾村は、国道399号線が南北に、県道50号線が東西に縦断し、それらの交点に村の中心部が形成されています。いずれもそれなりに交通量はありますが、村内に信号機は2か所しかありません。そのうち1ヶ所は国道399号線と県道50号線の交点に、もう1ヶ所は国道399号線の葛尾小学校の前にある歩行者用信号となります。ほかに主要な交差点は数ヶ所ありますが、いずれも信号機は設置されていません。
これほど信号機のない村で交通死亡事故が発生していないのは、ひとえに道路を通行するドライバーの安全意識のおかげだと思います。続いている交通死亡事故ゼロの記録を途切らせないためにも、交通ルール遵守の意識を改めて醸成し、未来永劫交通死亡事故が発生しないよう、節に願っています。
注)誠に残念ながら、葛尾村内の小出谷川に転落した軽貨物車から発見された遺体が交通事故死と認定されてしまい、2022年4月25日をもって交通死亡事故ゼロの記録が7634日で途切れてしまいました。ただここまで交通死亡事故ゼロの記録を続けてこれたのは、村民をはじめ葛尾村を通過するドライバーの交通安全の意識の高さによるものだと思います。
これからも、安心・安全な葛尾村をPRできるように皆さんで交通安全に気を付けていきましょう!